<まさかの歴史的惨敗…>前回王者ドイツの慢心と世代交代失敗!地元紙は人種問題まで指摘

サッカー界には、有名な格言がある。1990年W杯得点王の元イングランド代表FWリネカーの「サッカーはシンプル。22人がボールを争い、最後にドイツが勝つ」というコメントもそのひとつだ。

ドイツの勝負強さ、粘り強さを端的に表したものだが、この日の1次リーグ敗退を受けてリネカーは「最後にドイツが勝つとは限らない」とツイッターに書き込み、ドイツの戦いぶりに疑問符を付けた。

 2点差勝利で決勝トーナメント進出が決まるドイツは序盤からボールを圧倒的に支配しながら、フィニッシュの精度を欠いた。後半48分に左コーナーキックから先制を許すと、51分には捨て身で敵陣に上がっていたGKノイアーがボールを奪われ、ロングパスを拾った孫興民(25=トットナム)に無人のゴールに叩き込まれた。終始、試合の主導権を握りながら、アディショナルタイムで2点を奪われ、19度目の出場で初めて決勝トーナメント進出を逃した。

 歴史的な惨敗に、22年まで契約を残すレーウ監督(58)は「今回の結果は完全に私に責任がある」と辞任をほのめかした。

 2014年ブラジル大会で圧倒的な強さを見せつけ、昨年のコンフェデ杯(ロシア)は若手主体で優勝。ロシアW杯予選では10戦全勝(43得点。4失点)と盤石の強さを見せつけた。大会前の下馬評では当然、優勝候補の筆頭に挙げられたが、ベスト16にも入れなかったのはどういうわけか。

 ドイツサッカー協会公認S級コーチの鈴木良平氏が言う。

「初戦、2戦目とドイツらしい<沈着冷静にプレーしながら攻守で圧倒する>戦いができずに韓国戦を迎えた。選手たちには<世界ランク1位の私たちがアジアの57位の相手に負けるわけがない>という慢心もあっただろうし、それと同時に<もし負けたらどうしよう>という恐怖と焦りもあった。そういう精神状態で試合を進める中、ドイツの選手からチャレンジ精神、アイデア豊富な攻撃、攻守の連動性などが失われていった。中盤で回し、サイドに展開して相手ゴール前に放り込むという単調な攻撃に終始し、相手につけ入る隙を与えてしまった。14年W杯後も結果を残してきたが、現ロシアW杯メンバーを見る限り、世代交代がスムーズに進んでいるとは言い難いし、韓国戦に先発した22歳FWウェルナー、23歳MFゴレツカも期待外れに終わり、ドイツにとってショッキングなフィナーレとなりました」

■地元紙は人種問題まで指摘

 27日付の南ドイツ新聞(電子版)は、今回の敗因のひとつに人種問題を挙げている。トルコ系移民のMFエジル(29=アーセナル)、同ギュンドガン(27=マンチェスターC)の2人は、国際社会から独裁者と位置付けられるトルコのエルドアン大統領と親密な関係にある。排他的なドイツの多くのサポーターが2人の代表入りを疑問視し、今大会中もギュンドガンに対し激しいブーイングを浴びせた。同紙は世論によって代表チームに亀裂が生じたとみているのだ。

 敗因はいくつも挙げられるが、「ドイツは敗退に値する」(レーウ監督)チームだったようだ。

ゲンダイ 6/28(木) 12:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180628-00000027-nkgendai-socc

写真
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