「ローリング・ベア」で質の高い米株にも打撃及ぶ−モルガンSが予想

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-27/PAYQFQ6KLVR501
 米当局による金融引き締めと同時進行でなくなりつつある世界の経済成長が金融市場に一連の打撃を与えつつあり、
最終的には米国株で質が比較的高い銘柄にも影響が及ぶとモルガン・スタンレーはみている。

 同社のチーフ米国株ストラテジスト、マイク・ウィルソン氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、
リスクが高めの資産がまず打撃を受けたが、今後は安全性で優ると見なされる資産にも波及するとの見方を示した。
新興国株式は今月、大きく値下がりしたが、米S&P500種株価指数は月初来でプラス圏にとどまっている。

 ウィルソン氏は「ローリング・ベア(弱気相場が順繰りに巡る)というのが、われわれの基本的な今年の相場見通しだ」と指摘。
「全てが一度に打撃を受ける08年シナリオは予想しないが、市場が選択的に一つずつ影響を受ける、順繰り調整のような感じになるだろう」と語った。

 売りが順繰りに進んでいく一例として、米テクノロジー株が最近値下がりしたことを挙げ、
「こうした質が最も高いとされる株式銘柄の一部でさえ、行き過ぎていて、多少の打撃を必要としているのかもしれない」と述べた。

 ウィルソン氏によれば、米10年国債利回りが過去数週間に3%超の水準を維持できなかったことは、投資家センチメントの変化を示す重要な兆候。
モルガン・スタンレーは先週、貿易摩擦とドル高を背景に、米国債利回りは今年既にピークを付けたと結論づけた。

 同氏はまた、弱気相場が順番に広がる影響を回避できるかもしれないセクターに、米小型株を挙げた。
減税が寄与して今年は収益の伸びが期待できるほか、事業の国内特化でトランプ政権の通商政策による影響を大きく受けにくいとみられる点を指摘した。